2ちゃんねるの創設者として知られ、最近では“Z世代が選ぶ理想の上司”ランキングでも上位に選ばれるなどしているひろゆき氏(本名西村博之)ですが、『論破王』などの名称でも知名度が上がるようになりました。

ひよゆき氏は2ちゃんねるの創設によって大きな資産を築いたとされていますが、最近では頻繁なメディア活動によって大きな収入を得ているともされています。この記事ではひろゆき氏の資産や年収、貯金を見ていきながら、どのようにして2ちゃんねるを大きなメディア媒体に成長させ、現在の地位を築いてきたのかを徹底解説していきます。

ひろゆき氏の資産とは|資産の内訳

ひろゆき氏のYouTubeチャンネル

出典:ひろゆき氏公式YouTubeチャンネル

ひろゆき氏の資産については公表されておらず、具体的にどれほどの資産を所有しているかは不明です。というのも、同氏は2ちゃんねるや個人の発言などで名誉毀損などで訴えられた件数が多く、いずれも損害賠償請求をされた過去がありますがその多くの賠償金を支払っていないとされています。民事訴訟で賠償命令が出されたとしても被告に支払い能力がなければ支払うことができないだけでなく、支払わなくても刑事罰的な罰則は発生しません。ひろゆき氏は巧みに自身の資産などを見えないようにし、原告側の弁護士が強制執行しようにも資金や資産を回収することができないようにしていたとされています。

そのため、仮にひろゆき氏の資産額などが明らかになっていた場合は賠償金を支払わなくてはならないため公にはひろゆき氏の資産は存在していないことになっています。

ひろゆき氏の貯金

ひろゆき氏は流動資産については過去にメディアの対談やYouTube動画のなかで言及しており、個人の口座に5億円ほどあることを示唆しています。ただ、上述のように賠償金の支払いを強制執行されてはいないため、どのような形でひろゆき氏が貯金をしているのかは不明で、実際に5億円に相当する資産があるのかどうかも証拠はありません。

過去には日本の雑誌から支払われた原稿料が日本国内での取引だったことから資金が差し押さえられたという情報もインターネット上では確認されますが、ひろゆき氏自身はこの件について特にコメントをしておらず、実際に原稿料が差し押さえられたかどうかは不明です。もっとも、ひろゆき氏本人は貯金に関しては強い関心をもっているようで、メディア上でも一般の人たちに対して貯金をするよう推奨しています。

ひろゆき氏は賠償請求の問題から自身の資産を有価証券などに幅広く分散させている可能性は低いとも考えられます。ひろゆき氏は自身で会社を経営していることを明かしていますので、会社名義で固定資産を所有し、ひろゆき氏の貯金など流動資産は自身の口座で管理している可能性もあります。

ひろゆき氏は過去にメディア上で度々『ドル』で収益などについて言及していることがあるため、オフショア口座に米ドルなどで資金を保有していると思われます。

ひろゆき氏はフランスに資産があるのか?

ひろゆき氏は2015年から現在までフランスに在住していることを公表していますが、同国で資産を作っているのかどうかがよくある疑問として挙げられます。

東洋経済誌のひろゆき氏へのインタビューのなかでは、同氏は「観光ビザをフランスに住んでいる」と発言をしています。仮に観光ビザではフランスで現地の銀行口座を開設することはできないと思われ、長期滞在ビザなどで住んでいる場合でも現地の銀行から融資を受けて不動産などの固定資産を購入することは基本的に難しいと考えられます。もっとも借入をせけずにキャッシュで全額決済をしている場合は可能ですが、この場合はROI(投資収益率)は低くなります。ひろゆき氏がこのような投資活動をしているのかはわからず、フランス国内で不動産などを所有してるかはわかりません。

フランスには投資家ビザがありますが、あえて観光ビザを更新し続ける形で同国に滞在している意図も不明です。また、自身の公式YouTubeチャンネルのなかでは視聴者からの質問に答える形でフランスの永住権を取得していないことを明らかにしています。このことからもひろゆきがフランス現地の銀行で資金や資産を保有している可能性は低いと思われ、オフショアの海外口座を所有しているか、もしくは妻や親族などのひろゆき氏ではない名義で資産・資金を保有していることが推察されます。そのため、5億円というひろゆき氏の貯金額もその時々のレートによって変動することがあると思われます。

ひろゆき氏の年収

ひろゆき氏の年収ツイート

ひろゆき氏は2021年に自身のツイッター上で年収が1億円であると発言しています。また、過去にも月収1000万円ほどだったことをYouTube動画などでも言及していることから年収は1億円以上あったともされています。

ひろゆき氏の年収の内訳としては主に雑誌などへの原稿料や自身のYouTubeチャンネルからの収益、また日本のテレビ番組への出演料などだと考えられます。ひろゆき氏のYouTubeチャンネルには本稿執筆時点で161万人のチャンネル登録者がおり、その他にもサブチャンネルがあることから多くの収益を得ていることが推察されます。2022年には自身のYouTubeの生配信番組の中でYouTubeの月収が主に1000万円くらいだったことを明らかにしています。2021年3月には13万ドルだったことを明かしており、当時のレートでおよそ1700万円だったと見られます。

ひろゆき氏は自身の年収について妻が資産の管理をしていることを明かしており、YouTubeの収益なども同氏が経営している会社の収入になっていると考えられます。

ひろゆき氏の生い立ち、経歴

生年月日 1976年11月16日
出身地 神奈川県相模原市
最終学歴 中央大学文学部

2ちゃんねるの創設

ひろゆき氏は中央大学在学中にウェブサイトを開設し、『ひろゆき』を名乗るネットユーザーの個人サイトとして開設したとされています。これ以前にも『あやしいわーるど』や『あめぞう』などのようなマルチスレッドフロート型掲示板のウェブサイトが存在しましたが、『あめぞう』の利用者だったひろゆき氏があめぞうの第2ウェブサイトという意味合いで同氏が『2ちゃんねる』を開設したのが始めとされています。ちなみに『あめぞう』は他のユーザーによる荒らしやサーバーの不具合などのトラブルを抱えていたことから、ひろゆき氏が『あめぞう』の避難先として2ちゃんねるを開設したと言われています。

本人曰く、プログラミングができたことが起業のアイデアとなり、大学2年生の冬休みからホームページの制作をする会社を始めたと振り返っており、当時ではブログの作り方も一般的に浸透していない時代である程度のプログラミング能力があった学生のひろゆき氏には高い需要があったと考えられます。

2ちゃんねるを通しての名誉毀損などの訴訟

上述の通り、ひろゆき氏は2ちゃんねるに書き込まれた誹謗中傷などに関する民事訴訟や賠償債務を抱えているとされています。というのも、2ちゃんねるは当時発信元が分からないようIPアドレスを原則として保存しない方針を示していたため、悪質な書き込みなどが発生していました。名誉毀損などの書き込みに対しても管理人であったひろゆき氏が削除などの対応をしていこなかったことでひろゆき氏を相手取った訴訟が頻発することになります。

ひろゆき氏は多くの訴訟において敗訴していますが、いずれも賠償金の踏み倒しをしており多くの賠償金を支払っていないとされています。自身によると賠償金が積み上がって30億円ほどにまで債務が膨らんだことが明かされていますが、賠償金には10年の時効があり多くの賠償金はすでに時効を迎えていると主張しています。一部ではフランスに在住している理由は賠償金から逃れるためだと指摘されていたひろゆき氏ですが、本人の説明によるとそれは関係がないと主張しています。

YouTubeなどのインフルエンサーとして影響力を持つように

ひろゆき氏は様々な事情から2ちゃんねる(のちに5ちゃんねる)から離れ、現在は運営に携わっていないとされています。その反面、自身の公式YouTubeチャンネルを始め多くの視聴者獲得に成功しており、最近では雑誌やテレビなどで強い影響力のあるコメンテーターとしての地位を築くに至っています。この影響力を生かして、さまざまな媒体がひろゆき氏の意見やアドバイスを求めることでインフルエンサーマーケティングに応用しようとする動きが見られており、最近では金融庁の対談動画に民事訴訟の賠償金を踏み倒しているひろゆき氏が登場したことについては物議が起きています。

しかし、議論する相手の矛盾点を指摘するなどのテクニックが多くの若者に指示を受け、特にZ世代と呼ばれる90年代後半に生まれた人たちから『論破王』として高い人気を得ています。ただ、ひろゆき氏の言論には誤った情報や誤解に基づいた主張がしばしば見られ、専門家からは誤報の流布が指摘されるなどの側面もありますが、多様な情報の混在するインターネットの環境において強気な姿勢と相手を戸惑わせる言論力で見事に自身のセルフブランドマネジメントをしていると評されています。

ひろゆき氏は2ちゃんねるなどでどのように成功したのか

『論破王』として崇拝され、最近では中高生から『将来のことを相談したいと思う有名人』にもランクインするなど高い人気を誇るひろゆき氏ですが、その反面かなりのアンチが多い点も特徴です。しかし、アンチが多いということはそれだけ知名度が高いという現れであり、ひろゆき氏がこれだけの成功を収めることができたのは様々な要素があります。

まずはじめに、ひろゆき氏が掲示板型のウェブサイトが他にもあるなか2ちゃんねるで成功できた要因について以下のように考えられています。

  • 匿名性
  • メインストリームから外れた有志が集まれる空間を作り出した

2ちゃんねるが評価されると同時に批判される点として匿名性があります。自身の名前を出さないでも良いため、みなが本音で語り合うことができる言論空間を作り出した点はソーシャルメディアが存在しなかった当時としては画期的なことでした。その反面、無責任な誹謗中傷が展開されることになると歯止めが効かなくなり、ひいては犯罪事件の予告に使われるなどして社会現象になってしまったこともデメリットに挙げられます。

この当時のメディアはテレビや新聞、雑誌などマスメディアが中心となっており、ここで展開される言論は大学を卒業した一部のいわゆるインテリ層が構成したものでした。幅広い意見や言論を代表することがマスメディアの使命である反面、実際に展開される言論はまさに“マジョリティ”を代弁したものが主でした。このことから、“マジョリティ”になりきれなかった少数派(マイノリティ)の人たちにとって大きな受け皿となったのが2ちゃんねると考えられています。

2ちゃんねるの収益

2ちゃんねるが多くのユーザーに使われ始めると広告価値が発生し、同サイトは主にディスプレイ広告などの広告収入で収益化していたと考えられています。事実、ひろゆき氏はこの頃を振り返って1ヶ月に1000万円ほどの収益を上げていたとも発言しているため、大きな財源となっていたことが考えられます。

『まとめ』という新たな概念をつくる

2ちゃんねるが登場した上で特筆すべき特徴が『まとめ』という概念です。言論活動が活発になると多くのスレッドが立つことになりますが、これに伴い対立や諍いなども起きるようになります。ただ、全ての会話の記録を遡ることは大変な労力が必要になりますので、その議論の過程を切り取って再編集した『まとめ』というスレッドが大きく参考にされるようになり、ひいては人々の理解や認識に大きな影響を及ぼすようになります。

この『まとめ』は単に情報をわかりやすく整理したことで人々にとって便利である反面、恣意的に編集されていたるなどの特徴があり、二次的編集が新たな意味を生み出すなど予期せぬクリエイティビティを見せることになります。

この『まとめ』編集の文化は後にブログアフィリエイトに生かされていくようになり、ブログで収益化する技術に発達していくことになりました。さらにツイッターの投稿文をまとめるサービスが出てくるとTwitterが二次・三次的に編集されていき、Twitterの運用にも大きな影響を及ぼすようになります。

『論破』というセルフブランディング

ひろゆき氏は単に2ちゃんねるの創設者としてだけでなく、論破王という異名を持つほど言論空間で特異な地位を築くことに成功しています。

特に従来の日本社会では年功序列が一般的で、年上の言うことを尊重することが求められていましたが、ひろゆき氏のように相手の矛盾を臆することなく指摘し、相手から反論されても「それってあなたの感想ですよね?」と議論を無効化するテクニックが若年層に好意的に受け止められました。

ひろゆき氏の言論の仕方が見事に彼のブランドマネジメントとして確立されると顧客ロイヤリティの高い支持層を獲得することに成功し、これが現在のインフルエンサー的立ち位置を維持できている要因となっていると思われます。

ひろゆき氏の資産を種別に考察

上述の通り、現在ひろゆき氏は5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)とは関係がなく、自身の会社である東京プラス株式会社や有限会社未来検索ブラジルなどが主な資産と思われます。特に未来検索ブラジルはアメリカの2ちゃんねるとも称される英語圏最大級の匿名掲示板『4chan』のオーナー権を保有しているとされており、同サイトはインターネット・ミーム文化を作り出したとも言われています。

ただ、これらの会社以外には不動産などの固定資産を有しているとは思われず、主に原稿料やテレビ番組の出演料、YouTubeの収益などで大きな所得を得ていると考えられます。

まとめ|ひろゆき氏の成功からの学び

この記事では2ちゃんねるの創設者で、現在は論客やコメンテーターとしても活躍しているひろゆき氏について、彼の資産や貯金、年収、そして成功するまでの過程について解説してきました。

ひろゆき氏は2ちゃんねるの創設により米「ハリウッド・リポーター」誌にこれからのアジアのエンターテインメント業界を牽引する20人にも選ばれるなど世界でも注目される存在となりました。同サイトの設立により30億円近くの賠償金を背負うことになったものの、全く意に介さず平気で踏み倒すなど物議を醸す行為もありますが、その常識はずれの行動が論理的な動機に基づいていることから若年層に強い支持を受けています。

ひろゆき氏がインフルエンサーとしての立場を作ることに成功した最大の要因はブランド戦略にあると考えられ、『ひろゆき』というブランドを作り上げることができたと思われます。

現在起業の準備をしている将来性のあるリーダーの方はルールに縛られず、あえてひろゆき氏のように独自路線を突き進むことでマーケットにおける特異的な地位を築くことができるかもしれません。